※2024年9月現在、アリナミンが出荷調整(入荷が限定されている状況)となっています。ご希望の方は事前にお電話(011-632-6600)でお問い合わせください。
当院で可能なビタミン注射
- アリナミン(ビタミンB1誘導体)注射:疲労回復、体質改善、角質の保湿効果1)
- ビタミンC注射:疲労回復、免疫強化、コラーゲン合成、抗酸化作用2)、シミの抑制2)
- 高濃度ビタミンC注射はご用意しておりません。
1) N. Nagai, et al. J Jpn Soc Nutr Food Sci 65: 263-701 (2010)
2)K. Hagiwara, et al. J Dermatol 43-10: 1174-1183 (2016)
ビタミンBおよびビタミンCはともに水溶性ビタミンなので、一度に多く摂取しても余剰分は尿中に排泄され、体内に貯蔵しておくことはできません。また、ヒトはこれらのビタミンを自らの体内で生合成することができません。
このため、ビタミンBおよびビタミンCの需要が高まった場合には、相対的な欠乏状態になることがあります。
ビタミンの需要が高まる状況というのは、例えば激しい運動や労働、感染症、あるいは妊娠などによる消耗状態が挙げられます。
「風邪をひいたら果物を食べる」とか「アスリートは練習後に蜂蜜レモンを食べる」といった古い習慣は、知ってか知らずか、とても合理的なことです。
このような消耗性疾患によるビタミン欠乏の患者さんにビタミンを補充する場合は、保険診療の適用になります。
それ以外の場合、代表的には美容目的の場合などは、自由診療となります。
自由診療の場合の費用は下記のとおりです。
アリナミン注射 | 2,000円 | 目的:体質改善>美容 |
ビタミンC注射 | 2,000円 | 目的:美容>体質改善 |
なお、これらは同時投与も可能です。
また飲酒はビタミンB1を、喫煙はビタミンCを消耗させますので、同時に生活習慣を見直すことも大切です。
高濃度ビタミンC注射について
最後に高濃度ビタミンC注射についてですが、美容、抗がん作用、骨粗鬆症予防などの目的で自由診療において使用されている場面はあるものの、現時点ではエビデンス(効果の証拠)が確立されているとは言い難いと考えます。
ビタミンCの投与が有効な場面は確かにありますが、それが大量一括投与である必要性が不明であるというのが、当院の見解です。
冒頭でもお伝えしましたように、ビタミンCは水溶性ビタミンですので、余剰分は尿中に排泄されます。それならば、大量一括投与するよりも、一般的な用量を高頻度に投与する方が有効なのではないかというのが私見です(この意見にもエビデンスはありません)。
「エビデンスがあるものが全て正しく、エビデンスがないものは全て誤り」とは思いませんが、高濃度ビタミンC注射はお支払いいただく費用がとても高額(札幌市内では10,000~20,000円)になることもあり、慎重な立場をとっています。
高濃度ビタミンC注射である必要性を示すデータが出てきましたら、当院でも高濃度ビタミンC注射を採用するかもしれません。