「札幌市健康づくりセンター」という施設をご存じでしょうか。

健康づくりセンター さま(以下、敬称略)は札幌市民の自主的な健康づくりを支援することを目的に、どなたでも気軽に運動できる施設として市内に3施設(中央・西・東)が設置されています。運営主体は 一般財団法人札幌市スポーツ協会 さま(以下、敬称略)です。

施設を利用するための要件は特になく、例えば小中学生でも利用が可能です(小学生は常時、中学生は19時以降は保護者の同伴が必要です)。札幌市民でなくとも利用可能です。

今回は当院の最寄りである「西健康づくりセンター」を見学してきましたので、ご紹介いたします。
なお本稿は2025年1月22日に作成しており、以降、最新の情報ではない可能性があります。
最新の情報は西健康づくりセンターの公式webサイトをご覧ください。

はじめに

まず最初に明らかにしておきたいのですが、当院と健康づくりセンターおよび一般財団法人札幌スポーツ協会とは、お互いに利益供与の関係は一切ありません。全くの第3者視点から同施設をご紹介いたします。

西健康づくりセンターへのアクセス

西健康づくりセンターはJR琴似駅から少し八軒方向に進んだ場所にあります。

住所:札幌市西区八軒1条西1丁目7-7
電話番号:011-618-8700

八軒まちづくりセンターと同じ建物の2階と3階が、西健康づくりセンターになっています。
また専用駐車場(利用者は無料)が43台分も用意されていますので、冬季間でも通いやすいと思います。

外観

この建物が八軒まちづくりセンターです。この2階と3階が札幌西健康づくりセンターになっています。

運動のために施設を利用する際は、写真右下のドアから入館して、エレベーターか階段で2階の受付に向かいます。

運動設備

(写真は西健康づくりセンター公式webサイトよりお借りしました)

トレーニングジム

ウォーキングマシン、エアロバイク、マシントレーニングなどの機器があります。

本格的なスポーツジムのように細分化されたマシントレーニング機器があるわけではありませんが、要点を押さえた機器が配置されており、健康維持には十分すぎる設備と言えます。

ウォーキングデッキ

1周が約90mほどあり、冬季間のウォーキングなどに活用できます。
床は滑りにくい塗装がされていて歩きやすそうです。

(写真は西健康づくりセンター公式webサイトよりお借りしました)

休憩コーナー

2階のトレーニングジムの横には、休憩コーナーがあります。
飲み物の自動販売機もあり、休憩を挟みながら運動に取り組むことができそうです。
(糖分の摂りすぎには注意してくださいね)

高齢者のための筋トレ教室

西健康づくりセンターでは「高齢者のための筋トレ教室」というプログラムを実施しています。

施設の基本利用料とは別に受講料がかかります(料金体系は後述します)が、運動指導員の方から指導を受けながら、マシントレーニングの適切な利用方法を学べます。

更衣室

施設見学をしていて「案外、こういうところが充実していると嬉しいかもしれない」と感じたのは更衣室、特にシャワーブースでした。

更衣室にはコインロッカー(100円返却式)があり、シャワーブースが併設されています。
運動後にシャワーを浴びて乾いたシャツに着替えられると、帰宅途中で汗が冷えて寒くなることもありません。

男性更衣室には3個、女性更衣室には6個のシャワーブースが設けられています。
シャワー利用は無料ですが、シャンプーや石鹼、タオルなどの備え付けはないため、持参する必要があります。

利用料金

基本的な施設利用料は、1回あたり390円です。6枚つづりだと1,950円(1回あたり325円)になります。

2階の受付前に券売機があり、チケットを買ってから入館します。スーパー銭湯や日帰り温泉でよく見るようなシステムです。
この料金体系もまた良いですね。月額を支払って運動することが義務になるのではなく、運動したいときにいつでも運動できるという融通が利きます。

なお、施設利用料とは別料金ですが、運動教室のようなプログラムもあります。
青は11回で7,700円(1回あたり700円)、ピンクは教室により受講料が異なり、黄色は無料という設定です。
上述の「高齢者のための筋トレ教室」はピンクになっています。
また面白いことに、小学生を対象としたヒップホップダンス教室など、子どもたちを対象にした教室も同施設内のスタジオで開催されています。

さらなる健康増進のためのプログラム

健康づくりセンターと一般的なスポーツジムとの決定的な違いは、医療と運動の融合にあると思います。これを象徴するのが「健康度測定」という独自のプログラムです。

健康度測定とは、いわば運動を始める前の健康診査と言えます。
運動を開始する前に、血液検査、尿検査、安静時心電図、運動負荷心電図、食生活分析、運動負荷時の血圧測定など、11の項目について検査や問診(医師が勤務されています)を受けられるものです。

さらに健康度測定の結果を踏まえて、医師・保健師・管理栄養士・理学療法士・健康運動指導士などの専門スタッフの方々が個別のプログラムを作成し、運動開始後もフォローアップを行ってくれるという、なんとも手厚いシステムになっています。

この健康度測定は施設利用料とは別料金で、一般コースは8,000円、特定健診の受診券があれば3,500円、6ヶ月以内の血液検査のデータ(※項目要件あり)を持参すれば3,000円という料金設定になっています。
費用はかかりますが、健康度測定を受けると1年間の施設利用料が390→220円に割引(さらに初年度は半年間無料)になったり、上述の運動教室の青のプログラムが割引になったりするので、積極的に施設を利用される方は費用分より割引分が大きくなることもありそうです。

血液検査の項目要件、健康度測定の予約、割引額などについては、詳しくはこちらのwebサイトをご参照いただくか、札幌西健康づくりセンターにお電話(011-618-8700)でお問い合わせください。

医師の視点から

医師が診察室で「運動しましょうね」と促しても、結局は患者さん任せになってしまいがちです。そもそも運動習慣が大切だということは、医師に言われずともみなさん分かっておられることです。

しかし北海道の冬は運動習慣を維持するには難物で、却って転倒して骨折でもしては元も子もありません。
そこで今回は「こういう運動の仕方がありますよ」と一歩踏み込んだご提案をするために、西健康づくりセンターを見学してきました。

想像以上に充実した設備やプログラムが用意されていて、患者のみなさまにもオススメできる施設だと思います。

また、ご自身でのお申込みに不安がある場合や、これまでの病歴を踏まえた運動プログラムを構築したい場合などは、当院から診療情報提供書を発行して段取りを組むことも可能です。
かかりつけの患者さまで診療情報提供書をご希望される方は、診察時にお申し付けください。当院から札幌市に診療情報提供書を送付するので、あとはご自宅でお電話を待っていれば、健康づくりセンターから連絡がくるという仕組みになっています。

みなさんの運動習慣の一助になれば幸いです。