BMIという数字をご存知でしょうか。
たとえば体重 60kg/身長 170㎝(1.7m)とした場合に、60÷1.7÷1.7=20.8という計算式で求めることができます。要するに、身長に対する体重の割合のような指標です。
このBMIは18~25が正常範囲とされ、BMI 22~23の場合に健康リスクが最も低いとされています1)2)。
BMIはあくまでひとつの指標ですが、肥満がもたらす健康リスクがあることには、議論の余地はほとんどないと言えるでしょう。
現在、日本ではウゴービ®という注射薬で肥満症の保険診療が可能です。
しかし同薬の使用は高度の肥満症に限定されており、使用を認可されている施設も非常に限られています注)。このため、肥満であっても保険診療の対象とならないケースが大半というのが現状です。
この現状から、当院ではリベルサス®およびスーグラ®を用いた肥満外来を行っております。従来これらは糖尿病の治療薬ですが、適正に使用すれば低血糖リスクも低く(スーグラ®はやや注意が必要です)、体重減少を得られることが分かっています3)4)。
1)Tokunaga K, et al. Int J Obes. :15(1): 1-5 (1991)
2) Matsuo T, et al. Obesity. 16(10): 2348-55 (2008)
3) 第Ⅲ相臨床試験 PIONEER 9
4) Kashiwagi A, et al. Diabetol Int. Doi 10-1007/s13340-014-0164-0 (2014)
注) 2024年3月現在、北海道では北海道大学付属病院、札幌医大付属病院、市立札幌病院、NTT札幌病院、萬田記念病院の5施設のみ
肥満から抜け出すきっかけ
薬で体重を減らすことに抵抗がある方もおられると思います。運動や食生活でなんとかするのが本当だろうというのが普遍的な感覚かもしれません。
しかし肥満の方は変形性質関節症や高血圧症などを患っている場合が多く、体重が減るほどの運動そのものが困難であるため、肥満から抜け出せずにいるという側面があります。
プールで浮力を利用して膝の負担を軽減しつつ運動しようにも、全員がプールのある施設に通えるわけでもありません。
まずは服薬で体重を落とし、膝の負担や高血圧を低減してから運動に取り組み、いずれ服薬を終了することを目指していただきたいというのが当院の考えです。
取り扱い薬剤と費用
申し訳ありませんが、自由診療ですので費用のご負担は高くなってしまいます。
また当院は過度な痩身を推奨しませんので、原則としてBMI 25以上の方を対象とさせていただきます。

リベルサス®
GLP-1受容体作動薬
注意点:
胃から吸収されるので、空腹時にコップ半分(120mL)の水で服用し、服用後も30分間は飲食できません。
また14㎎では低血糖リスクが少し上がります3)。
3mg | 7mg | 14mg |
9,000円 | 15,000円 | 20,000円 |
他疾患で当院に通院されている場合には金額を割引してご負担を軽減します。割引金額は通院内容により異なります。

スーグラ®
SGLT2阻害薬
注意点:
GLP-1受容体作動薬と比較して、低血糖への注意が必要です。
また尿量が増えるので脱水のリスクもあります。飲水を心がけてください。
25mg | 50mg |
8,500円 | 10,000円 |
他疾患で当院に通院されている場合には金額を割引してご負担を軽減します。割引金額は通院内容により異なります。